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ジャガー・ランドローバー「純evじゃない」電動化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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この項目では、内燃機関を搭載していない電気自動車について説明しています。内燃機関と電動機を併用する自動車については「ハイブリッドカー」をご覧ください。

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電気自動車(でんきじどうしゃ)とは、電気をエネルギー源とし、電動機(電気モーター)で走行する自動車である[1]。略称は一般的にEV(Electric Vehicle)が用いられる[注 1]。化石燃料を燃焼させる内燃機関(内燃エンジン)を持たない事から[注 2]、走行時に二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物が出ないゼロエミッション車である[2]。

概要[編集]
電気モーターを動力源とする電気自動車は、車載電池(バッテリー)から電力を得る電池式電気自動車(BEV)と、走行中に外部から電力の供給を受ける架線集電式電気自動車とに大きく分けられる[注 3]。

種類[編集]
電池式電気自動車は、外部からの電力供給によって二次電池(蓄電池)に充電し、電池から電動機に供給する二次電池車が一般的である。
→#二次電池式電気自動車 (BEV)
車両自体に発電装置を搭載する例としては、太陽電池を備えたソーラーカー、燃料電池を搭載する燃料電池自動車がある。
集電装置を架線(架空電車線)に接触させて電源を得るトロリーバスは古くから用いられている。大型トラックや鉱山用ホウルトラックなどでも集電装置を搭載するものがあるが、多くの場合、バッテリーを搭載しており、架線のない所でも走行できるようになっている[3][4]。集電装置は、トロリーバスではトロリーポールが一般的で、大型トラックやホウルトラックでは弓形の集電舟が用いられている。
また、架線に代わる電力線を地下に埋設し、誘導電流によって走行中に充電(インダクティブ充電)ができるオンライン電気自動車などがある。
発電専用エンジン(レンジエクステンダー)を搭載する内燃機関と二次電池を併用するE-POWERも、広義には電気自動車である。

持続可能性と電気自動車[編集]
20世紀後半から地球温暖化に加速がつき、2000年代に入ると先送りができない問題となった。その結果、脱内燃自動車と電気自動車の利用推進は強力に推進されるようになり、それ以前から技術者たちによって継続的に行われてきた電池技術の改良とパワーエレクトロニクスの発展により技術的な障壁は下がり続けている。また、政策として再生可能エネルギーの利用割合を増加させるため、各国政府では電気自動車の導入推進を図ると同時に、内燃車の新規販売を規制する法律の整備が進められている。
電気自動車は、特に地球温暖化問題に関する京都議定書のCO2排出削減目標を達成する手段の1つとして、あるいは産出国が局在する化石燃料に対する依存を減らす手段の1つとして国家レベルで実用化に力を入れられるようになった。環境より@media screen.mw-parser-output .fix-domainborder-bottom:dashed 1px経済性を重視する人々の間でも、2008年(平成20年)の夏にかけて、原油価格の急騰に伴って燃料価格が上昇した時には、燃費の良い自動車として関心が高まった[要出典]。風力発電への依存度が高いデンマークでは、風力発電特有の不安定な発電量や、余った電力を蓄電できないといった欠点を、各家庭の電気自動車を蓄電池として利用することで電力網全体の負荷を下げる方針を打ち出している。デンマーク政府は2007年から、内燃車では車両価格の105 – 180 %にも達する「新車登録税」を蓄電池電気自動車に限って撤廃した結果、内燃車と電気自動車の価格差はほとんどなくなっている[5]。
つまり、再生可能エネルギーに頼る国ほど電動化のメリットが大きい。いずれにせよ、人類の20世紀における産業の発展に恩恵を与えた化石燃料は気候変動により、自動車産業においても役割を終えつつあり、世界各国軒並みだが自動車の電動化が止まらない。

電気自動車が自動車産業にもたらす変化[編集]
2010年時点で既に、「電気自動車は自動車産業に大きなインパクトをもたらす(変革をもたらす)と予期される[6][7]」と指摘された。世界の多くの政府が、自国の自動車産業がこれから迎える電気自動車が主流の時代を生き残ってゆくためにと、電気自動車とその構成部品の開発のために莫大な資金を出すことを決断するようになった。たとえばアメリカ合衆国では、バラク・オバマ政権が、電気自動車とバッテリー向けに24億ドルの連邦補助金を出すと約束した[8]。
中華人民共和国は(2010年代初頭に)電気自動車産業の立ち上げに50億米ドル相当のお金を供給すると公表した[9]。
2010年代の後半から、世界各国で、特にヨーロッパ諸国などを中心として持続可能性の必要性の認識が高まった。ガソリン車の販売を規制・禁止したり、(ヨーロッパでは様々なタイプがありえた非ガソリン車の中でも、電気自動車が最も好適なものだと判断しつつ)電気自動車の販売を促進するための法律が導入されたりした。2030年代半ばなどにそうした期限を設定する形での法律が多数可決されており、それをきっかけにして人々の意識や自動車メーカー側の意識がさらに高まるという現象も相まって、そうした法制度上の変化や整備にもさらに加速がついてきている。
2000年代に急速な経済成長を遂げ自動車の巨大な販売市場となった中国では、2019年時点で中国の新車販売に占める電気自動車(EV)の割合は5%で残り95%はガソリン車という状況であった。その中国政府もついに、2020年10月に「2035年には新車販売の50%をEVとし、残り50 %をHVとする」という方針を打ち出した。
2020年代に入り、ヨーロッパや中国などの主要な販売市場において、世界各国の自動車メーカーは、電気自動車の改良を加速させることや、すでに急成長してきている販売市場でシェアを確保することにしのぎを削っている。
2020年以降、全固体電池へ各自動車メーカーの投資が過熱している。2021年1月に中国のNIOが半固体電池搭載の電気自動車を翌年に出荷すると発表[10]。他の企業の全固体電池搭載はフォルクスワーゲンは2025年、日産は2028年を目標としている。 トヨタは、2020年代前半中に全固体電池を実用化すると発表したが、最初はハイブリッドカーへの搭載としている[11]。
2020年8月、ドイツに本拠を持つBMW社は「電動化攻勢をさらに加速させ、2030年までに電動モデルの比率を全販売の50%にする」と発表した[12]。2021年2月15日、イギリスに本拠を持つジャガーランドローバー社は、4年後の2025年から高級車ブランドのジャガーの全ての車種を電気自動車にする計画を発表した[13]。

歴史[編集]
ローナーポルシェ(ヤーコプ・ローナー)
エジソンとDetroit Electric Model 47(Anderson Electric Car)
たま(東京電気自動車)
「en:History of the electric vehicle」も参照
黎明期 1800年代 – 1950年代[編集]
前史[編集]
人間は乗用しなかったものの、電気自動車の元祖は、ハンガリーのイェドリク・アーニョシュの発明に遡ることができる。彼は1827年に電動機を開発し、翌1828年には模型車両に載せて動かすことに成功した[14][15]。
1835年、トーマス・ダベンポート (en) が鉄道線路の上を走る電気機関車を製作した。1838年、スコットランドのロバート・デービッドソン(en)は時速約6kmの速度で走行する電気機関車を作った。1840年、イングランドで鉄道線路を電気の供給に使う方式の特許が取得されており、1847年にはアメリカ合衆国でも同様の特許が取得された[16]。

電気自動車の歴史の始まり[編集]
1830年代(1832年~1839年の間に、正確な時期は不明)、スコットランドの発明家ロバート・アンダーソンが充電不可能な一次電池を搭載した世界初の電気自動車を発明した[17]。
販売された初の電気自動車は、最初のガソリンエンジン車(1891年)の5年前に英国で登場した。1899年にガソリン車よりも早く初めて100km/hを突破するなど当初は有望視され、自動車の黎明期には蒸気機関・内燃機関と動力源の覇権を争っていた。ハブにモーターを搭載したインホイールモーターの原型とも言える4輪駆動車を当時ローナー社在籍のフェルディナント・ポルシェが、1900年のパリ万博に出展した。
トーマス・パーカー(Thomas Parker)は1884年に自ら製作した特別仕様の大容量二次電池を搭載した実用的な自動車を英国ウルヴァーハンプトンで製造した。
アメリカでも発明王トーマス・エジソンが電気自動車の改良に努め、特に充電可能なバッテリーの開発に邁進していた。しかし、広大な国土を持つアメリカでは航続距離の短さが克服し難いネックとなり、やがて彼のもとで内燃機関を研究していたヘンリー・フォードによるフォード・モデルTの成功により自動車市場は完全に内燃機関自動車に支配された。イギリスでの牛乳配達用ミルクフロートや屋内用のフォークリフト等、一部を除いて電気自動車は一旦市場から姿を消す[18]。
1930年代、ゼネラルモーターズ (GM)、ファイアストン、スタンダードオイルカリフォルニアの3社の協業で National City Lines (NCL) という会社が設立された。この会社は各地の電気機関車を使っていた路面電車の会社を買い取り、電車を廃止してGM製バスに切り替えるという事業を行った。3社はNCLへの車両や燃料などの供給を独占したことで有罪とされたが、NCLによる交通サービスの独占は問題にされなかった(アメリカ路面電車スキャンダル)。
日本でも第二次世界大戦後、ガソリンが不足していたうえに日本本土空襲による工場の破壊で電力が余っていた[15]時期に数社から電気自動車が販売されていた。このうち東京電気自動車が開発したたま電気自動車は鉛蓄電池への一度の充電で65km走れ、最高時速は35kmだった。東京電気自動車を源流の一つとする日産により復元された車両が現存する[15]。だが、終戦直後の日本製電気自動車は、朝鮮戦争による鉛価格の上昇やガソリンの入手性が向上した事により姿を消した。

石油ショック 1970年代[編集]
充電中のEV1(ゼネラルモーターズ)
ルネッサEV(日産自動車)
再び脚光を浴びるのは先進国でモータリゼーションが進んだ1970年代である。
オイルショックが起き、石油資源依存に対するエネルギー安全保障上の懸念や、排気ガスによる大気汚染(公害)の深刻化への解決策として電気自動車が提案された。日本においては通商産業省(当時)主導の電気自動車研究開発プロジェクト(通称「大プロ」)が実施され、本田技研工業を除く国内全メーカーが電気自動車を開発した。しかし主に鉛蓄電池を用いた電気自動車は求められる性能を確保できぬまま、石油確保の政治的解決やガソリン自動車の排気ガス浄化性能の向上に伴い、電気自動車は再び姿を消す。

ゼロエミッション規制 1980年代後半 – 1990年代[編集]
次に状況が変化するのは1980年代後半、CARB(カリフォルニア大気資源局)のゼロエミッション規制構想時である。これは米国カリフォルニア州で販売する自動車メーカーは一定台数、有害物質を一切排出しない自動車を販売しなければならない、という規制の構想であった。これに対応できるのは電気自動車と考えられた。
1970年代に比べ、鉛蓄電池からニッケル水素電池と言った技術の進歩もあり、実際にトヨタのRAV4EV、ホンダのEV-PLUS、ゼネラルモーターズのEV1などの限定販売・リースが開始され、電気自動車の本格普及も近いと思われた。しかし鉛蓄電池に比べニッケル水素電池はエネルギー・出力密度に優れてはいたが、それでも電気自動車は充分な性能(航続距離や充電時間、耐久性、車両価格など)を確保できなかった。
1990年代により高性能なリチウムイオン電池を採用したのは日産のみであった。(1997年プレーリージョイEV、1998年ルネッサEV/北米向けアルトラEV、1999年ハイパーミニ[19])ハイパーミニはアルミスペースフレームによる超軽量ボディとリチウムイオン電池を採用する意欲作ではあったが、車両価格が362万円と高価で、かつインフラ整備も整わず、普及には至らなかった。
これ以降、自動車メーカーは、電気自動車の欠点であるエネルギー密度の問題を解決するため、燃料電池を搭載した燃料電池自動車の開発などにも注力し、2002年(平成14年)には燃料電池自動車ホンダ・FCXや、トヨタ・FCHVのリースが開始されたが、水素ステーションの未整備など、使い勝手や費用等に問題があり普及には至っていない。

2000年代[編集]
電気自動車のネックとなっていたバッテリー性能について、大きな進歩がみられる。
モバイル機器等で使用が当たり前になったリチウムイオン電池を採用することで、性能向上を果たした電気自動車が発表されるようになった。リチウムイオン電池は、ニッケル水素電池より高エネルギー・高出力密度であるとされ、電気自動車の性能改善が見込まれる。充電時間についてはメーカーや研究機関で30分以下で70%の充電を可能にする急速充電技術が開発されている。電池寿命についてはモバイル機器などに使用されているものとは異なり長寿命である。長寿命である要因は質量あたりのエネルギー密度がモバイル用よりも低く、設計的に余裕があるためである。後述のテスラの電気自動車では16万kmの電池寿命と発表している。日本国内で使われる自家用自動車の場合、走行距離が20万kmに及ばないうちに廃車になることも多いが、30万km以上使うこともある商用車などの用途では途中で交換が必要と考えられる。
充電時間の長い二次電池を使用せず、動力源に絶縁性能を改善したキャパシターを用いた試験では、車両総重量が1.5 tクラスであれば、100km/hの定速運転で700km以上の航続距離を達成することが既に可能であると報道された[20]。短時間の充放電が可能なキャパシタは回生ブレーキで発生した電力の有効な回収手段としても注目されており、日産ディーゼルが開発中である[21]。

エリーカ(シムドライブ)
また、従来のバッテリーよりもはるかに高性能のリチウム・空気電池の開発も進みつつある[22][23]。
バッテリー性能向上のほかにも、電気エネルギ効率を高められるインバータによる可変電圧可変周波数制御といった、パワーエレクトロニクスの発達もあり、電気自動車の性能は向上している。慶應義塾大学電気自動車研究室が開発したエリーカでは、既に370km/hの最高速度と4.1秒の0 – 100km/h加速が達成されており、内燃機関車両に比べ簡単な駆動系で高い動力性能が引き出せることを実証した。

ロードスター(テスラ)
台湾豊原バス純電気バス
米国では、テスラ (Tesla) により、0 – 60mph (0 – 96km/h) 加速約4秒、最高速度130mph (208km/h) 以上、航続距離250mile (400km) を達成したスポーツカータイプの、純粋の電気自動車「ロードスター」が発表された。電池寿命は10万マイル(16万km)は動力性能を出来るとしている[24]。さらに2009年3月には「モデルS」が発表された。これは大量生産車で、2009年4月ごろの段階ですでに1,200台以上受注し、すでに数百台が路上を走っており、毎週25台のペースで生産しており、予約は同年秋までいっぱい[25]とされた。燃費が非常に良く、トヨタ・プリウスのおよそ2倍で、370km走っても電気代が500円程度で済む[25]とされた。
日本では2009年6月4日[26]に三菱自動車により三菱・i-MiEVが生産開始され、続いて2010年12月20日[27]に日産自動車により日産・リーフが生産開始された。
従来の電気自動車は、パワー・航続距離が不足しているため、短距離を走るシティコミュータなどが使用法として考えられてきたが、上記のような高性能の自動車が開発され、問題は解決した。

2010年代[編集]
米カリフォルニア州の2017年のZEV規制の規制強化[28]、フランスやイギリス等におけるガソリン車・ディーゼル車の将来的な新規販売禁止(2040~2050年までを目途)[29]など、自動車メーカーによる電気自動車等のゼロエミッション車の開発・販売が急がれている。
電気自動車で先行する日産自動車[30]は、鋭い加速などが特徴のスポーツ車へのEVモデルを[31]、トヨタは航続距離の長距離化に有利と主張する全固体電池の実用化[32]を、それぞれ東京モーターショーで発表した。
中国では、2015年に発表した産業中期戦略「中国製造2025」において電気自動車を中心とした新エネルギー車を国家産業競争力の核心的利益として育てていく方針を打ち出し、2025年までに新エネ自動車販売台数を100万台、国内市場占有率70%以上にすること掲げた。2017年における中国市場の電気自動車販売台数は約58万台となっており、世界で販売される電気自動車全体の4割以上を占める状況となっている[33]。2021年現在の中国では、上汽通用五菱汽車が販売するセカンドカー向けの低価格車から、上海蔚来汽車の高級クーペまで多彩なラインナップが揃い、IT業界からの新規参入もあるなど群雄割拠となっている[34]。
トヨタ自動車の豊田章男社長は、エネルギー政策とセットで考えなければ日本国内での電気自動車生産は難しいという意見を表明している[35][36]。トヨタではハイブリッド車と燃料電池自動車の販売を行っているほか、業務用の電動トラックの開発を進めている[37]。2021年10月には一般向け電気自動車のブランドの立ち上げと2025年までに7車種を投入すると発表した[38]。
2019年10月、電池技術を軸に電気自動車事業への参入を表明していたダイソンは、全固体電池の研究開発などを除き事業から撤退することを決めた[39]。

脱炭素・EVシフトへの加速 2020年代[編集]
2021年10月末より開催されたCOP26において、「100%ゼロエミッション車とバンへの移行を加速することに関するCOP26宣言」が行われた。主要市場では2035年、全世界で2040年までに全ての新車販売をゼロエミッション車とする内容で、世界39ヵ国とそのほか都市や州、地方自治体、自動車メーカーなどが合意し、署名をした[40]。
2021年、本田技研工業は電気自動車と燃料電池車に注力するため、ラインナップの整理を行うほか、フォーミュラ1からの撤退を表明した[41][42]。
日本の地方部においては、2015年ごろからガソリンスタンドの廃業が多発したことによる生活インフラの喪失が深刻な問題となっていた(給油所過疎地またはサービスステーション過疎地問題)[43]。電気自動車の普及がこの問題の解決策となることも期待された[44]。
しかし新たな問題にも直面した。この頃は、自動車、パソコン、モバイル、ゲーム機、その他各産業において半導体の需要増加があり、世界的な半導体不足が懸念されている[45]。自動車は電動化することにより車載用の半導体装置・部品がこれまで以上に必要となっている[46]。2021年後半に電気自動車の販売台数は500万台に迫り、半導体の供給が追い付いていない[46]。EVメーカー各社が苦慮する中で、この危機的状況をテスラ社が回避し2021年に過去最高の年間販売台数を達成できたのは、半導体を自社で設計・生産する体制があったことが大きく貢献した[47]。

二次電池式電気自動車 (BEV)[編集]
日産・リーフ(2代目 ZE1型)
テスラ・モデルS / テスラ・モデル3
「二次電池式電気自動車」も参照
二次電池式電気自動車とは、車体に電気プラグを接続し二次電池に充電、その電気で電動機を回して走る自動車のこと。二次電池式の乗り物全般は総称してBEV(Battery Electric Vehicle)というが、一般にBEVというと二次電池式自動車のことを指す。BEVは、蒸気自動車やガソリンエンジン自動車と並んで古くから開発されているが、リチウムイオン電池が実用化される2000年代まではバッテリーの性能が低く普及していなかった。電気自動車はエンジン車に比べ構造が単純で排気ガスも出さないことから世界で普及が加速している。ガソリン車の部品は約10万点程度あり、BEVは約1万点程度とガソリン車の1/2から2/3ほどになる[48][49]。BEVは電動化した車であるため半導体の部品が多い。ただし、車両価格は同じクラスのガソリンエンジン車と比較するとバッテリー価格の影響で高価となる傾向にある。

長所(内燃機関自動車との比較)[編集]
BEVの概略図
電気はガソリンなどの化石燃料に比べて効率がよく、電気代 (燃費) も圧倒的に安い。
内燃機関、クラッチ、変速機、始動用の補助動力装置などが不要なため、部品点数が内燃機関車に比べ大幅に少なく、部品ユニット(ASSY)の交換も容易。また、エンジンオイルや点火プラグやタイミングベルトなどの消耗品も大幅に減るため、メンテナンスなどのランニングコストが抑えられる。
ガソリンや排気ガスの匂いがなく、走行時の騒音や振動も少ない。停車時はほぼ無音である。
エアコンやシートヒーターなどは電気自動車用バッテリーから給電する為、停車時も内燃機関のようにアイドリングすることなく使用可能。
走行時に二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの大気汚染の原因となる有害物質を一切排出しない。火力発電所などから排出される分を考慮しても、内燃機関自動車(ICEV)より有害物質の排出が少ない。
排気ガスが出ないため、積雪時の車中泊などで内燃機関車で問題になる排気管が雪などで塞がり排気ガスが室内に流れ込むことによる一酸化炭素中毒事故は発生しない。また、シートヒーターや電気毛布などの防寒対策のみでしのげば、電力消費を少なくすることができる。
現在多くの乗用車メーカーは電気自動車用バッテリーの保証を走行距離10万km以上としており、耐久年数に関してもガソリンエンジン自動車と比べて遜色がない。さらに使用済みバッテリーは蓄電設備への需要が存在する為、すぐに廃棄ロスにはならない[50]。
モーター、バッテリーを持つため、運動エネルギーを再び電力に変換して蓄える、回生ブレーキが実現できる。また回生電流を制御することにより制動力を調整することも可能である[51]。
電動機は駆動力と制動力の双方を生み出すため、電子制御で高性能のトラクションコントロールとABSを実現することが容易。これによりアクセルペダルのみで発進、加速、減速、停止の操作が可能なシステムも実現している[52]。
自宅や事業所の駐車場にコンセントなどの充電設備があれば、日常的にはスタンドへ行く必要がない。深夜に充電すれば、より安価な深夜電力を利用することができ、電力供給者側の発電の平準化にも役立つ。家庭用充電設備も大規模な設備や資格等が必要なガソリンスタンドと違い個人でも無理のない値段で設置可能で保守点検も簡便である。
動力源が電気であるため、エネルギー源も幅広い。電力会社から購入するだけでなく、太陽光などの自然エネルギー由来の電力利用も可能。
電気自動車に蓄えられた電力は、電池容量24kWh〜60kWhで一般家庭約2日〜6日分に相当し、停電が発生した際の緊急用の電源として用いることが可能[53]。充電済みの電気自動車があれば、蓄電池として小規模なスマートグリッドとして使用することが可能。
モーターはエンジンより非常に小型に造れるため、衝突時などに衝撃を吸収するクランプルゾーンを広くとることが可能。また、衝突時にモーターが足下に侵入しない。
上記に関連して、空いたスペースを積載スペースとして割り当てることもできるため、車格に対して積載量が多くできる。車両後方だけでなく、前方にもトランク(フロントトランク)を持つ車種が増えている。
駆動レイアウトも内燃機関車と比較して制約が減少した。例えば車両後方にモーターを設置しても十分な乗員人数と後席スペース、積載性を確保できるようになり、後輪駆動や四輪駆動もモーターの設置位置やモーターを増やすだけで実現ができ車両中央を貫くシャフトは使用しなくてもよくなった。
一般的な乗用車などではバッテリーパックが床下に収納されており、このタイプは低重心となり横転リスクを軽減できる。
化石燃料を必要としないため、火災や爆発のリスクが低減する。
動力機構がシンプルなため、応答速度が速く制御しやすい。
内燃機関は標高が高くなると大気圧や酸素濃度の低下により出力も低下するのに対し、標高の変動による影響を受けず一定の出力を保つことができる[54]。
電気モーターは発進時から最大トルクを得ることができ、摩擦損失の発生するトランスミッションなどを用いず直接車輪に動力を伝達できるため、加速性能が極めて高い。これを生かした技術としてインホイールモーターと言われるモーター軸にホイールを取り付けて動力伝達ロスを最小限にする技術も存在する(実際には、インホイールモーター内に減速ギアを用いている例がある。ダイレクトドライブインホイールモーターと言われる、完全にトランスミッション機構を廃したインホイールモーターも一部で研究開発されている[55])。
航続距離が600kmを超える電気自動車も多く存在しており、内燃機関車と遜色ない利便性を有する。短所(内燃機関自動車との比較)[編集]
長距離を走行する場合に、化石燃料車の給油よりも充電に時間がかかる。そのため、ガソリンスタンドに比べ充電スタンドの回転率も悪い。
二次電池は体積や重量あたりのエネルギーが化石燃料に比べると小さいため、同一体積、重量あたりの航続距離が内燃機関自動車に比べて短い。
外気が低温や高温になった場合、電池の適切な温度管理がされていないと、充電速度が低下し、電池も劣化する。電池の消耗も早くなる。
寒冷地の立ち往生などでバッテリー残量がなくなった場合は[56][57]、コンセントまたは可搬式充電器などの充電設備が必要となる。静音性に伴う問題[編集]
「en:Electric vehicle warning sounds」も参照
電気自動車は動力源と駆動系に由来する騒音が非常に少なく、爆発によって動力を得る内燃機関自動車よりも非常に静かである。静音性は電気自動車のメリットでもあるが、その一方で電気自動車の不用意な接近により歩行者(および周囲の交通全般)が自動車の存在に気付かないまま危険に曝される状況が発生するようになった。静音性は走行騒音の少ない低速時に際立つため重大事故にはつながりにくいものの、聴覚機能が減退した高齢者や聴覚障害者、視覚障害者が危険に曝されやすい。また静音性を悪用した犯罪の事例も既に存在し、プリウス、またはアクア等の各EVモードを悪用したひったくり事件が発生した。
対策として、接近を歩行者に音で知らせる「車両接近通報装置」の設置を、2018年3月の新型車から義務付けられた[58]。

エネルギー効率[編集]
発電所から走行時までを考慮した電気自動車のエネルギー効率については、発電効率・送電損失・充放電効率・動力変換効率などを含めても、内燃機関自動車(ICEV)に比べて数倍程度高いエネルギー効率が実現できる[59]。慶應義塾大学電気自動車研究室の試算では、電気自動車の電力をすべて火力発電でまかなったと仮定しても、ガソリン車よりも3~4倍、総合効率で優れるとしている。
ガソリンの質量エネルギー密度(単位質量あたりのエネルギー量)は約42MJ/kgであるが、リチウムイオン電池では100 – 200Wh/kg (0.36M – 0.72MJ/kg) と、60 – 120倍もの差がある。しかし、ガソリン車の車両効率は30%程度であるのに対し、電気自動車は90%以上の効率を持つ。仮に60倍の差があると仮定した場合、実質的に取り出せるエネルギー量の差は15倍にまで縮まる(こうした考えを 車両効率:Tank to Whell Efficiency と呼ぶ)。
また、上記に加え、車載エネルギ貯蓄源からタイヤ駆動エネルギを取り出すまでのシステム全体の質量についても考慮に入れる必要がある。二次電池は化学エネルギーを電気エネルギーに変換し、電動機が電気エネルギーを運動エネルギーに変換する。内燃機関自動車では燃焼により熱エネルギーを発生し運動エネルギーに変換する。この両者のシステム質量を比較する必要がある。具体的には内燃機関(燃料+タンク+エンジン+補機類(冷却系など)+変速機+駆動伝達装置)対 電気自動車(電池+インバータ・モーター等)で比較され、電気自動車電池以外のシステム質量は内燃機関車より軽量である。

バッテリー[編集]
日産・リーフ(初代 ZE0型)カットモデル
重金属・レアメタルや化学物質などを多量に消費する旧式のバッテリー(二次電池)を大量に搭載する前提でライフサイクルアセスメント (LCA) の観点から問題を指摘する向きもあったが、急速な開発によって解決されつつある。電解質に用いられるリチウムの陸上資源は豊富にあり、海水中に無尽蔵に存在するリチウムを抽出する技術もあるため、安価に供給可能である。リチウムイオン二次電池に使われる希少元素は正極材料に使われてきたコバルトであり、現在コストの7割を占める。しかし、ニッケル、マンガン、リン酸鉄などを使った正極材料も開発され、全く希少元素を使わないリチウムイオン二次電池も採用されている。ニッケルは希少元素だがコバルトよりは安い、マンガンはベースメタルでないが、希少元素ではなく安価である。リン、鉄は全くレアメタルではない[60][61][62]。
整備や修理などで電力系統に触れる場合には感電事故の危険性があり、キャパシタを用いた電力源では特に重大となる。蓄電池からの漏電はすぐには判らないので、整備士には安全確保に対する教育と現場での注意が求められる。従来は電気取扱者(低圧)の特別教育を修了することが求められていたが、2019年10月1日からは、電気自動車とハイブリッド車の整備に電気自動車等の整備業務に係る特別教育が求められるようになった[63]。

リチウム[編集]
リチウムは軽量・大蓄電量のリチウムイオン二次電池に使用されている。リチウムは経済産業省の分類ではベースメタルでないというだけでレアメタルとされているが、希少元素ではない。
リチウムの陸上資源は全ての大陸に存在するが、豊富すぎる埋蔵量が単一鉱山にあるため、最も低コストで産出できる一握りの資源メジャーが飛び抜けた競争力を持ち、価格を自在にコントロールして、自分の収益を確保した上で、条件の悪い下位グループの鉱山の操業を出来ないようにしてしまう。これを一般には偏在すると呼んでいる。リチウムイオン二次電池におけるリチウムの使用量はわずかであり需給が逼迫する可能性は少ない。リチウムは海水中に無尽蔵に存在しており、現在の技術でも採取可能であるが、開発途上である。ただし海水からの採取技術を担保しておけば、陸上資源の価格も抑えられる。

コバルト[編集]
リチウムイオン二次電池におけるレアメタルとは主に正極材料に使われているコバルトである。2009年(平成21年)地点でリチウムイオン二次電池のリサイクルで取り出されているのはコバルトのみであり、リチウムは分離技術も経済性もなく、全くリサイクルされていない。リチウムイオン二次電池のコストの7割はコバルト代だといわれている。現在、ニッケル、マンガン、リン酸鉄などの正極材料も存在し、コバルトを使わないリチウムイオン二次電池に採用されている。

希土類[編集]
軽量、小型で大出力の電動機であるネオジム永久磁石同期電動機を作るには、希少元素であるネオジムやジスプロシウムといった希土類が使用され、価格の高騰などの影響を受けやすい。磁石メーカーはリサイクル技術の確立に力を入れている。電動機メーカーは希土類を用いない電動機の開発に力を入れていて、2008年(平成20年)に日立はジスプロシウムを使用しないモーターの開発に成功した[64]。
あるいは、誘導電動機を採用することで希少元素を使わずに済む。誘導電動機は、高速域と低負荷の効率が良いため、制御を高度化すれば、総合効率はネオジム永久磁石同期電動機に勝るとも劣らない。さらに、誘導電動機は、複数のモーターを設置しても単一コントローラで済む利点がある[65][66]。実際に、テスラ社の「ロードスター」や「モデルS」は誘導電動機を用いている[67]。特にテスラ車では後輪の間に誘導電動機とコントローラを設置し、その上には通常のトランクルームがあるだけでなく、そのすぐ後方にはサブトランク、フロントボンネット内にもトランクルームがある[68]。すなわちネオジム永久磁石同期電動機は、設置スペースの少ないハイブリッド車かインホイールモーターに必要なだけで、純電気自動車にはエンジンや変速機の代わりのスペースがあるため、車載型の誘導電動機で十分である。
あるいは、希土類磁石が不要な電動機としてスイッチトリラクタンスモータが存在する。通常の永久磁石式電動機が電磁石の吸引力と反発力の両方を使用して回転するのに対して、この電動機はステッピングモータのように回転子の吸引力のみで回転する。
永久磁石同期電動機とスイッチトリラクタンスモータのハイブリッド電動機も広く利用されており、永久磁石の使用量を減らす効果がある。

世界の車載電池メーカーの出荷量[編集]
グローバル市場では、寧徳時代新能源科技、通称CATLがの車載電池の出荷量で世界一である。2010年代初頭までは元々パナソニックが世界一であったが、順位が後退した。中国は政府が力を入れてバッテリー産業を育てている。

メーカー別 世界の車載電池メーカー2019年通年 資料: SNE Research[69]
順位
国籍
メーカー
GWh
1位
中華人民共和国
寧徳時代新能源科技
34GWh
2位
 大韓民国
LG化学
31GWh
3位
日本
パナソニック
25GWh
4位
中華人民共和国
比亜迪
10GWh
電気自動車の最大の欠点はバッテリーの充電時間と航続距離である。航続距離はバッテリー容量を大きくすれば解決できるが、バッテリーは高価で、容量を増やせば車重も重くなり充電時間も長くなるという問題があった。近年電気自動車の普及が進み、自動車用バッテリーの価格が下がってきたため、バッテリー容量を大きくし航続距離は大幅に改善されたが、こんどは満充電に時間がかかるため大出力の急速充電設備が必要となってきている。

航続距離と充電設備[編集]
航続距離[編集]
「全電気航続距離」も参照
モーターの効率や車体の抗力係数、気象条件などによっても航続距離は大きく変わる。2020年6月現在、最も航続距離の長い市販電気自動車はバッテリー容量100kwhのテスラ・モデルSで402マイル (647 km)となっている[70]。この航続距離はアメリカ合衆国環境保護庁(EPA)の基準で、現在日本や欧州等で採用されている国際基準WLTPでの航続距離よりも厳しい条件での航続距離となっている。日本で普及している日産リーフ40kwhタイプではWLTCモードで航続距離322kmとなっている。
2022年現在、電機自動車の価格の約40%はバッテリーであるため、航続距離を伸ばすために容量を増やすと価格と重量が増加する[71]。1回当たりの走行距離が短い軽自動クラスとして、使用実態にあわせた航続距離に抑えることで低価格を実現した車種も登場している[71]。一方、ナンバーを取得しかつ一般道、高速道、峠道などのさまざまな道を走り、かつエアコンもつけた条件で、満充電から途中充電無しで1000km以上の走行を達成した車種も登場し始めている。

充電設備[編集]
「充電スタンド」も参照 急速充電スタンドの例 急速充電スタンドの例(地下) 普通充電スタンドの例(200V)電気自動車の充電設備は、家庭や事業所用100V/200V電源を利用する緩速充電設備[注 4]と、市街地の充電スタンドなどに設けられた公共用急速充電設備に大きく分類される。急速充電設備は直流400V以上100A以上40kw以上の電力で供給するため事業用の高圧供給となる。事業者用電力料金は家庭用の6割以下となるが[72]、急速充電設備の一番高価なものは1基300万円程度かかり、大きさも家庭用冷蔵庫ほどになる。
急速充電設備は「充電スタンド、充電ステーション、充電スポット」などと呼ばれ、公共施設の駐車場、高道路のサービスステーション、主要道路に面した場所などで、有料の充電サービスを提供している。
普通充電では充電に時間がかかるが、自宅や事業所で普通充電の設備がある場合、電気代が安く済む。しかし、日本の賃貸駐車場には充電設備がまだ広く普及していないため、市中の急速充電設備は欠かせない。また、電気自動車は同型車の内燃機関の車に比べ航続距離が短いため、長距離を走る場合や、家庭や事業所などで充電できない場合は途中で急速充電が必要となる。そのため、観光地、パーク24などの駐車場、ショッピングセンターなど、駐車場に充電設備を設置して電気自動車の利便性を向上させようとする動きもある。
日本の充電スタンドの料金体系は基本料金+時間単価などスタンドにより様々であるが、日本の最大手である e-Mobility Power(トヨタ、日産、本田、三菱、東京電力、中部電力などが出資)の場合、非会員の急速充電が1分50円、普通充電で1分8円となっている。急速充電だと一回最大30分で1,500円となる。
現存する給油事業者が一部充電スタンドに転換すると、現行の電気価格相場は非常に低いため小さな利益しか見込めない。また、充電時間はガソリンの給油時間よりも長いため回転率が悪くなり、既存の設備配置のままでは充電スタンドへの転換は難しい。

急速充電と普通充電の主な違い

e-Mobility Powerの場合

急速充電(50kw)

普通充電(200V 3kw)
バッテリー容量40kwh 80%充電

約40分

約11時間
1分あたりの充電料金

50円(税別)

8円(税別)
上記条件での充電料金

約2,000円(税別)

約5,280円(税別)
 自宅での充電の場合

家庭全体60A契約基本料金
1kwh あたりの電気料金
40kwh 80%充電の電気料金

月約1,700円(税込)
約30円 (税込)
約960円(税込)

100V 深夜電力 基本料金
1kwh あたりの電気料金
40kwh80%充電

月約2,000円(税別)
約10円(税別)
約320円(税別)

バッテリーの寿命

より長い
(e-Mobility Powerの急速充電は1回最大30分)

数分程度で充電が完了する急速充電器も開発されているが、一般に蓄電池の容量上限近くは内部抵抗が高くなり温度上昇と充電効率も悪化して時間も掛かるため、満充電ではなく80%ほどで充電を終える方式が採られる[注 5]。
充電スタンドで満充電する場合、急速充電は普通充電に比べ電気代が安い。
戸建て住宅の車庫や事業所の駐車場などに普通充電設備を設置し深夜に充電すれば、安価な深夜電力を利用することができ、電力供給者側の発電の平準化にも役立つ。
急速充電はバッテリー内部の化学的負担が激しく、バッテリーの適切な温度管理がされていない場合、温度が上昇し寿命が短くなる。充電規格[編集]
非接触充電システム(東京モーターショー2011)当初は日本で開発された「CHAdeMO」という規格が世界に普及していたが、最近ではヨーロッパ、アメリカ、中国で大容量のバッテリーおよび電気自動車の普及に対応させるため独自の高規格急速充電設備が普及していることからCHAdeMOは徐々に縮小されている。メーカー独自の充電ネットワークではテスラの「スーパーチャージャー」が世界に展開されており、250kWに対応している。
日本では、ほとんどがCHAdeMOのみで規格上は900kwまで対応しているが、実際に日本で普及している急速充電器は殆ど20~50kw台である。また、コードの要らない非接触充電方式も開発されているが普及していない。

電池交換方式[編集]
電池交換所において満充電のバッテリーと短時間で交換することで車両への長い充電時間をなくす方式である。この方式では、電気そのものではなくバッテリー交換サービス自体を販売対象とするため利益が上げやすく、バッテリーのメンテナンスの手間が省けるなどのメリットがある[34]。
米テスラモーターズは90秒でテスラ・モデルSのバッテリーを交換するシステムを開発している[73]。これは、給油に約3分かかるガソリン車、充填に5分かかる水素燃料電池車よりも早い。また、ルノー・日産アライアンスは、充電スタンドの整備運営をする米国ベタープレイス社と組み、電池交換所整備に加えて政府や自治体による助成金や優遇税制の導入をセットにした電気自動車発売を計画している。ベタープレイスでは、電力の補給を、車両に搭載された電池への充電ではなく、カートリッジ式の電池を交換する方法を想定しており、充電時間の問題を解決できるとみている。また、過去に成功を収めた携帯電話のビジネスモデルに倣い、電気自動車の車両本体はユーザーに無料で提供し、電池の利用に応じた料金収入による経営とする方針を打ち出している。
京都市交通局で1970年代に導入された電気バスでは床下のバッテリーを交換する方式を採用、バス営業所にバッテリーの交換・充電・保管設備を設置していた。
中国の蔚来汽車ではバッテリー交換式として設計した上で、バッテリーをサブスクリプション方式とすることでバッテリーの代金を車両価格から割引、使用していない時間に充電済みのバッテリーと出張交換する有料オプションなど設定をしている[34]。これにより1箇所の拠点で多数の充電が可能となり、充電スタンドを各所に設置するよりも効率が高いとしている[34]。

改造電気自動車[編集]
ディーゼルエンジンの路線バスを改造した電気バス(九州産交バス、ベース車:日産ディーゼル・スペースランナーRA)
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの自動車からエンジンやマフラー、燃料タンクなどを取り除き、モーターや電池を取り付けた電気自動車。EVコンバート、EVコンバージョン、コンバージョンEV、コンバートEVとも呼ばれる。広義のエンジンスワップに該当するため、電気自動車として公道を走行する場合は書面審査と構造等変更検査を受けて検査に合格する必要がある[74]。
市販の自動車の電気自動車への改造は希に行われている。改造電気自動車には近距離の荷物配達用バン(デリバリー・バン)や霊柩車などの実例がみられ、珍しいところでは九州電力玄海原子力発電所見学者用のバスや九州産交バスの路線バスを電気自動車に改造。趣味性の高い方向では、日本EVクラブがマツダ・ロードスターのEV改造キットを発表したり、同クラブ広島支部が2007年から2008年にかけて事故車のデロリアン・DMC-12をEV改造し、翌年3月にナンバー取得をしたケースがある。

長所エンジン自動車に比べ構造が単純なためメンテナンスが容易。
個人や小規模な事業所でも改造が可能。
MT車からクラッチやギアボックスを取り外してAT車にすることもできる。また、MT車のままでなおかつエアコン、パワーステアリング非搭載車の場合は改造も簡単にでき、費用も安価である。短所大型車、AT車、エアコン、パワステ搭載車の場合は構造が複雑であり、改造費用が高価となる。
航続距離が基本的にエンジン自動車より短くなる。
改造を行える事業所が少ない。商業用での導入事例[編集]
電気自動車の国内における導入実例には、1970年(昭和45年)の大阪万博の会場内輸送を担う車両の生産をダイハツが担当した。それ以来ダイハツは3輪バイクのハローや、商用車のハイゼットEVなどの市販電気自動車のほか、自治体や特殊法人向けにラガーを改造したEVを少数納入している。
山梨県北杜市では、7月末から電気自動車のモデルゾーン実験を行った。実験ではトヨタ車体(旧アラコ)『コムス』、ゼロスポーツ『ゼロEVエレクシードRS』、オートイーブイジャパン『ジラソーレ』、昭和飛行機工業『e-VAN』等が採用された。
日本郵政グループの郵便事業会社(現・日本郵便)は、2008年12月初旬から環境対応車両の実証実験を行って、郵便事業会社の保有する集配用の自動車2万1,000台を電気自動車に切り替える方針を発表している[75]。しかし2011年にゼロスポーツが破産したことで導入計画は頓挫、その後日産・e-NV200や後述する三菱・ミニキャブMiEVバンを導入している。
佐川急便では2021年4月に中華人民共和国・広西汽車集団製の小型商用バンを2030年までに7,200台導入することを発表した[76]。
三菱自動車は商用車で1971年にミニカEVを限定販売、1991年にランサーバンEV、1993年にリベロEVを限定販売したのち、ミニキャブバンをベースにしたミニキャブMiEVを開発、2010年秋にプロトタイプ車をヤマト運輸に貸与して実証実験を行い、2011年から2017年まで販売され、2013年からはトラックも追加された。
そのほかでは、ホンダが栃木県のサーキット、ツインリンクもてぎ内で提供している会場内専用のレンタル車輌などがある。
自動車共用実験では超小型モビリティとしてシティコミュータータイプの電気自動車を使用するケースがあり、トヨタ・e-comや日産・ハイパーミニなどがある。
トラックでは積載量1-3トンクラスの小型トラックでの採用例が見られる。2010年に三菱ふそう・キャンターをベースにしたキャンターE-CELLをIAAに出展、NEXCO中日本他でのモニター使用を経て2017年にeCanterとして量産を開始した。日野自動車は2013年にデュトロをベースに荷台部分を低床化して前輪駆動とした集配車を開発、ヤマト運輸と西濃運輸が東京都内で実証運行を行った[77][78]。2022年にはこれらの実績を元に改良された「デュトロZ EV」を発売する予定である[79]。またヤマト運輸では集配車として三菱・ミニキャブMiEVや三菱ふそう・eキャンターに続いて、2019年からドイツのストリートスクーター製電動トラックを導入した[80]が、初回導入分の500台で配備は打ち切られ、普及には至らなかった[81]。
バスでは一定の範囲内を走行すること、運行スケジュールが決められていて充電のタイミングを取りやすいことから路線バスへの導入例が見られる。

詳細は「電気バス」を参照
他に特殊用途自動車としては、ターレットトラック・フォークリフト・ゴルフカートでは電動式のものが少なくない割合を占めている。動力つき車椅子や老齢者用カートは大半が電動式である。築地市場(東京都中央卸売市場)など建屋内部で商品の運搬を行うターレットトラックでは、電気自動車を採用することで商品や市場内を汚さないよう配慮している。

日本国外ではスイスの観光地ツェルマットなど、内燃機関自動車の乗り入れを禁止し村内の自動車は原則としてすべて電気自動車とされている場所などもある。完全に定着した特殊用途自動車としてイギリスの牛乳配達用車両 (milk float) があげられる。これは「早朝にエンジン車はうるさい」との苦情から発生したもの。「ゼロエミッション車#ZEV規制」を参照
モータースポーツ[編集]
モータースポーツの世界でも、2010年代に入り電気自動車を用いたレースが徐々に拡大しつつある[注 2]。
古くから電気自動車が活躍するレースとしてはパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムがある。標高3,000mを超える高地で行われる同レースでは、標高による出力低下の影響を受けない電気自動車の利点を活かす形で多くの電気自動車が参戦しており、参戦台数の増加に伴い2012年からは単独の「Electric Class」が設けられた。2015年には並み居るガソリン車勢を破り、リース・ミレンのドライブするeO PP03が電気自動車として初の総合優勝を遂げ、2018年にはロマン・デュマのドライブするフォルクスワーゲン・I.D. R Pikes Peakがコースレコードを樹立している。
日本では2010年より、日本電気自動車レース協会(JEVRA)[82]の主催で「全日本電気自動車グランプリ」(通称 : EV-GP)シリーズが開催されている[83]。
2014年には国際自動車連盟 (FIA) がフォーミュラカーによるレースシリーズとしてフォーミュラEを発足させた。当初は速度が低く軽んじる者もいたが、フォルクスワーゲングループのディーゼルエンジンにおける排ガス不正発覚後は一転、ディーゼル推進派であったイメージを払拭したいドイツ車メーカー各社を中心にEVシフトが叫ばれ、ハイブリッドカーのF1やLMP1(ル・マン24時間)に代わり、メーカーが大挙する一大カテゴリとなった。
アメリカでは2018年からGRC(グローバル・ラリークロス)でEVカーによるクラスが発足する他、欧州中心の世界ラリークロス選手権でも2020年にEVクラスを導入する計画を進めている[84]。2021年からはフォーミュラEのオフロード版となるエクストリームEが発足する。

その他の電気自動車[編集]
燃料電池自動車 (FCV)[編集]
詳細は「燃料電池自動車」を参照
燃料電池自動車とは、搭載した燃料電池で発電した電力で走る自動車。燃料電池に水素やメタノールなどを使用する。FCV(Fuel Cell Vehicle)という略称が用いられる。電気自動車には含まれないが、同じくゼロエミッション車に位置付けられている為、ここで普及率が低い理由や問題点を解説しておく。

水素燃料電池自動車[編集]
2代目トヨタ・MIRAI (JPD20) :2020年12月9日発売開始
車に高圧充填した水素と空気中の酸素を化学反応させて発電し、その電力で電動機を動かして走行する自動車。水素と酸素の化学反応後に排出されるのは少量の水だけである。水素の充填時間は事前に予約して水素圧縮作業を済ませた状態からなら約3分、航続走行距離はトヨタの新型MIRAIで国際基準WLTP約650kmとなっている。ただし車体価格がより安価なテスラ・モデル3ロングレンジの航続距離は、WLTP基準で689kmとなっている。現在、水素燃料電池自動車を実用化し製造販売しているのは世界でトヨタ、ヒュンダイの2社のみ。ホンダも製造販売していたが、2021年8月にFCVの製造を中止した[85]。発売された車種は乗用車でトヨタ・MIRAI、ホンダ・クラリティ フューエル セル、ヒュンダイ・ネクソ。商用車はトヨタ・FCバスなどがある。

水素燃料電池自動車の課題[編集]
特殊技術やレアメタルが必要で車両価格が高額であること、水素ステーションの営業時間の短さ・数の少なさ[86]、水素の製造・輸送に多額のコストがかかることなどが普及を妨げている。水素脆化への対策も高額な維持費の原因となっている。また水素の輸送問題は深刻で未だ経済的輸送の技術的な目処は見つかっていない。その為、ほとんどの水素ステーションでは化石燃料であるLPガスを原料に水素を製造しており、二酸化炭素削減にも効果的でない。もっとも自然界には水素供給源は存在しない。またFCVには純度99.97%以上の水素を必要とする為[87]、副生水素はおろかアンモニアや炭化水素の車載化も不純物が発生するため不可能である。充填にも大量の電力を消費しており、MIRAIへの1回の充填作業だけで約30kwhの消費電力を必要とする。これはテスラ・モデル3が200km走行する時に消費する電力に相当する。プレクールという水素を80Mpaまで圧縮と同時に-40℃まで冷却する必要がある為である。[(財)エネルギー総合工学研究所2015年調べ)]。プレクールには約30分の所要時間を必要とする為、事前連絡や予約なしでは水素充填に30分以上の時間を要してしまう。水素ステーションは安全性を確保する上で立地やタンクの設置方法、安全装置など多数の制約があり、建設費用は現状でガソリンスタンドの約4倍のコストがかかる(ガソリンスタンドの建設費用は約1億円、水素ステーションは約4億円である)[88]。高額な水素ステーションだがその供給能力も低く1時間に2台〜3台を充填するのが限界という現状がある[89]。2020年からは1時間あたり5〜6台の充填能力を有する水素ステーションも建設されたが、建設費が5億円を超えている。トレーラーでの移動式水素ステーションも存在するが、その輸送能力は水素20kg未満の物がほぼ全てで、抜本的な打開策にはなっていない。またFCV自体の熱効率も30%前半である[90]。

太陽電池自動車[編集]
「ソーラーカー」も参照
ソノモータース サイオン
ライトイアー社が開発中の太陽電池自動車「ライトイアーワン」プロトタイプ
車体に太陽電池を組み込み、その電力を二次電池に蓄えて電動機で走行する自動車。近年、太陽電池のエネルギー変換効率が改善されてきたため、太陽電池の電気エネルギーだけで走行できる車が開発されている。ただし、日中の太陽光から車体に組み込まれた太陽電池で発電するため、夜間や天気の悪い日、屋内車庫などでは充電できない。基本的に太陽電池からだけの充電を想定しているが、充電不足に対応するため外部からの充電口も備えている。
太陽電池自動車は駐車中だけでなく走行中にも蓄電できるため、太陽光からだけの充電で走行可能となった場合、電気代はもちろん二次電池式電気自動車の最大の欠点である長い充電時間が解消される。また、太陽光のみの充電であれば発電時に二酸化炭素を出すこともない。
現在の太陽電池自動車は太陽光のみでの充電では満充電に時間がかかるが、近郊の通勤や買い物のみであればプラグでの充電をしなくても走行することが可能となっている。
現在はドイツ新興電気自動車メーカーソノモータース(Sono Motors)のサイオン(Sion)やトヨタ・プリウスで太陽電池のみで走行できる車両が開発されている[91]。1日の太陽電池のみでの充電でサイオンは34km(ミュンヘンでの日照時間)、プリウスは56.3km(日本での日照時間)走行することができ、近郊の通勤や買い物を可能にしている。サイオンは予約を受け付けており価格は22,500ユーロ、EU限定で2023年に販売予定[92]。日本では新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とシャープ、トヨタ、日産が協力して開発を進め、太陽電池セルの変換効率は世界最高水準の34%以上、航続距離56.3km相当の電力量を実現したが、量産の計画はない。
オランダのライトイアー(Lightyear)社も「ライトイアーワン(Lightyear One)」という同様の太陽電池自動車のプロトタイプを開発しているがまだ公道の走行は実現していない。
オプションで屋根に太陽電池を組み込んだプラグインハイブリッドカー(プリウス)がすでに発売されているが、太陽電池だけでは1日の充電で6.1kmしか走れず、補助的なものとなっている。

オンライン電気自動車[編集]
詳細は「オンライン電気自動車」を参照
韓国で実用化されているオンライン電気バス
電磁誘導や共振現象を利用して非接触で給電する自動車。駐車場や道路下に埋設した地下架線やコイルまたは路上に設置した架線から、車両の駐車中・停車中・走行中に車両の受電装置に対して非接触で電力を供給する方式である。走行中や停車中に充電できるため車載電池容量が少なくてすみ車両コストの低下と軽量化が実現できる。道路に給電設備が普及すれば長距離の走行が可能となる。決められた道路を走る路線バスには有効で[93][94]、走行頻度の高い都市での採用が期待されている。
大韓民国では、すでに地下給電線を用いたシステムを試験しており、ソウル大公園内の2.2kmの循環バス路線内の3か所に合計400mに渡り給電線が埋設されている。試験結果に問題がなければ路線バスへの導入が計画されている[95]。日本では今のところ道路側の給電装置の配置間隔や給電技術はまだ研究段階。
軌道走行中に充電し、軌道外を電池式EVとして走行する自動車は「2モード電気自動車」と呼ばれており、ドイツでは高速道路にリニアモーターを組み込み、自動車走行中に非接触給電により二次電池へ充電する構想がある。高速道を降りた市中では通常のEVとして走行する[96]。完全に給電場所と走行モードを分ける考え方である。

トロリーバス[編集]
詳細は「トロリーバス」を参照
カナダ、バンクーバーのトロリーバス。写真は、試験走行中のもの。
道路上空に張られた架線(架空電車線)から取った電気を動力として走るバス。トロリーバスは都市部の交通機関として古くから広く利用されているが、架線のある所以外では走れないことなどから、最近は他の交通機関に変わっている都市が多い。
近年、電動機とエンジンを併用するハイブリッドバスをトロリーバスにすることで、架線があるところでは架線より給電走行し、架線のない所ではエンジンを使用して長距離を走れるバスが開発されている。架線建設費用を含んでも二次電池のみで走行するバスより安価なため、豪州 や米国 や欧州 の一部でこのトロリーバスが見直されている。また、二次電池を搭載し、架線を設けた幹線では架線からの電力で走行しながら二次電池に充電。架線のない支線では二次電池式電気自動車としての走行が可能な2モード電気自動車も構想されている。

長所(二次電池式電気自動車との比較)[編集]
電池が少容量(小型)で済み、重量・コスト面で有利。
車両コストはハイブリッド式と大きく変わらず、数百万から数千万円ですむ
架線集電では航続距離の制限が無い
電池式電気自動車に比して蓄電池が小さいため車両が軽くエネルギー消費が低減できる
走行エネルギーコストが非課税ベースで電力は石油の10-15%である短所(二次電池式電気自動車との比較)[編集]
基本的に架線のある道路を走行しなければならない。
停電に弱い。
架線の問題
道路上の架線を社会が受容する必要あり、美観への影響と安全性が問われる
架線敷設の為、低く見積もってもkmあたり2-3億円のイニシャルコストが必要
通常の架線で交通集中に見合う電気容量が確保できる保証が無い
架線保守要員が必要
溶断、破断による新たな危険間欠給電式電気自動車[編集]
Charger Pole
Contactor
この方式では、走行用バッテリーの充放電頻度を極限まで下げ、その寿命を飛躍的に伸ばすことが可能となる。システムとしては、従来のバッテリー駆動電気自動車(BEV)に、80m走行分ほどの小容量キャパシタ1(C1)を追加した形となる。急速な充放電が行えるキャパシタの特徴を活かし、回生ブレーキ時の充電と、次回に発進する際の放電をキャパシタで賄い、損失などで不足する分や照明などのサービス電源用電力をバッテリーから供給する。これにより、バッテリーの充放電回数を1 – 2/日に抑えられるため、10年以上にわたって電池交換が不要となる。キャパシタは一回の充放電量が少ないものの、短時間での反復使用が可能であり、回生電力の再使用により走行距離も増加する。以上は中型車以下のBEV、またはハイブリッド車に有効である。
また、大型の電気自動車などでさらに搭載電池量を少なくするには、間欠的に外部給電を利用する方法もある。路線バスでは、まず、停留所歩道端上部に給電線または1 – 2本の給電ポール (Charger Pole) を、車両側面上部に受電板 (Contactor) を設ける。車両が接近した時、給電ポール (Charger Pole) 上部に取り付けてある給電ロッド (Contactor) が車道側に回転し受電板 (Contactor) に接触して、停車中および発進時に車両のキャパシタ2に充電する。走行時にはまず、ブレーキにより充電されたキャパシタ1からの放電で発進し、次にキャパシタ2よりの放電、最後に電池の放電で次の停留所まで走行する。以上のパターンで停留所間を次々と走行する。渋滞や交差点の一時停止・発進にはキャパシタ1を利用する。登り坂では給電ポール (Charger Pole) よりの給電を優先的に利用する。以上により、給電状況によっては、従来の電池自動車の電池の小容量化(1/10以下)及び長寿命化(15年以上)を可能にした電気自動車システム[97][98]である。

長所(内燃機関自動車との比較)[編集]
重量面、コスト面、環境面(CO2 、NOx、核ゴミ等)で有利である。
車道上に架線(突出物)を張らなくてよい、純電気自動車である。
市内バス、宅配便、巡回車など停留所間が800m前後の間欠的な場合、300停留所走行するのに要する電池量は1/10以下も可能となる。停車・発進時の受電板からの外部給電、キャパシタからの内部給電、走行中の受電板からの外部給電が得られるためである。
渋滞等による回生はキャパシタ1が担うので、他の方式に比べ電池の消費・劣化が少ない。
バス停に設ける給電ポール (Charger Pole) は分散給電のため小容量で、比較的安価である。
登り坂に給電ポール (Charger Pole) を設ければ、登攀能力は倍増する(または電池消費が少なくなる)。
トラックなどで、屋根のない車両にも適用可能である。短所(内燃機関自動車との比較)[編集]
回生ブレーキの使用頻度が少ない長距離(ノンストップ)走行には効果が少ない(市街地など短距離・繰返し走行によい)。
(バックアップ電池がない場合)停電に弱い。
給電ポール (Charger Pole)、給電ロッド・受電板 (Contactor) の実績は少ない。
全幹線道に給電ポール (Charger Pole) を取付けると、保守要員も少なからず必要となる。
近くに商用高圧線 (600 – 1.200V) がない場合、送電線が必要となる。駆動系の配置による分類[編集]
1.通常のガソリンエンジン車 (FR)2.エンジンをモーターに積み替えた車3.後輪横に2つ別々にモーターを配置し、減速ギヤを介して接続した車4.インハブ・モーター車5.ガソリンエンジン6.クラッチ・変速機7.電動モーター8.減速ギア
電気自動車は電動モーターを含む駆動系の配置によりいくつかに分類できる。通常のガソリンエンジン車に最も近く、比較的簡単な改造によってエンジン部分を積み替え、プロペラシャフトやデフなどをそのまま使用するものから、駆動タイヤ近くにモーターを配置し、場合によっては減速ギヤを介して駆動輪に接続するもの、そして、最も従来の自動車とは異なる駆動系の配置となるインハブ・モーターを持つものなどがある。右図は後輪駆動車のみを示しているが、前輪駆動や四輪駆動も可能[99]である。

電気自動車市販車一覧[編集]
「電気自動車市販車一覧」を参照
脚注[編集]
[脚注の使い方]注釈[編集]

^ 「Vehicle」(ビークル)は、乗り物全般を指す英語であり、自動車よりも上位概念である。電気自動車はEVに含まれる乗り物であるので呼称として間違いではないが、等価ではない。自動車は英語で「Automobile」(オートモービル)が概念として類似する。

^ a b 欧米ではエンジンをモーターともいう。ゆえに、ガソリンエンジン・ディーゼルエンジンの自動車競技はモータースポーツと呼ばれてきたのである。電気自動車の電気モーターも自動車エンジンの一種である。

^ 日本の法令において、トロリーバスは無軌条電車と呼ばれる鉄道として扱われ、自動車として扱われないため、電気自動車には含まれてはいないが、メカニズムは電気自動車そのものである。

^ 100Vより200V給電の方が電力ロスが少ない。

^ 充電器側はキャパシタなどを内蔵することで短時間に大電流を供給できるが、このような急速充電による車載蓄電池側の発熱などが問題とならないか不明であり、一般には十数分程度の充電時間とされている。

出典[編集]

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参考文献[編集]
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電気自動車 夢・化学21 ISBN 9784621047095
電気自動車のすべて ISBN 9784526037962
電気自動車ハンドブック ISBN 9784621048405
EV・電気自動車―色々な方向に走り出します ISBN 9784381087836
疾れ!電気自動車 ― 電気自動車vs燃料電池車 ISBN 9784806712909
近未来車EV戦略 ISBN 9784380932557
電気自動車が加速する!―日本の技術が拓くエコカー進化形 ISBN 9784774137926
電気自動車は日本を救う ISBN 9784863540354
電気自動車の実像 ― EV・HEV・FCVの最新技術とその将来展望 ISBN 9784946428418
日本充電3000キロ―男たちの“手作り電気自動車”珍道中 ISBN 9784907727024
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新しいEV―高性能電気自動車 ISBN 9784274031861
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電気自動車 ― その利点と可能性 ISBN 9784526012648
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関連技術・車両

プラグインハイブリッドカー
ソーラーカー
電気バス
電動スクーター
オンライン電気自動車 (OLEV)
低公害車
エンジンスワップ – 市販エンジン車を改造したコンバートEVの制作は法的には「(燃料の変更を伴う)エンジンスワップ」となる。
回生ブレーキ
フォーミュラE
燃料電池自動車
全固体電池関連企業・団体

米中電気自動車イニシアティブ
CHAdeMO協議会
日本EVクラブ
ゼロスポーツ
SIM-Drive
ベタープレイス
淀川製作所
タケオカ自動車工芸
日産自動車その他

省エネルギー電気自動車レース『ワールド・エコノ・ムーブ』
映画『誰が電気自動車を殺したのか?』外部リンク[編集]

ウィキメディア・コモンズには、Electrically-powered vehiclesとElectrically-powered automobilesに関連するメディアがあります。EV・PHVプラットフォーム – 経済産業省
電気自動車は環境に優しいのか? – GNV (Global News View)
次世代自動車振興センター – 補助金交付、広報などを行う
SIM-Drive
電気自動車 総合情報サイト|日産
EVスポット表話編歴代替動力源による乗り物・代替燃料空気エンジン
圧縮空気車
圧縮空気推進電動機
トロリーバス
ネイバーフッド・エレクトリック・ビークル (NEV)
電気自動車
電動スクーター
電動アシスト自転車
プラグインハイブリッドカー
ソーラーカー
電動航空機
空飛ぶクルマ
電気推進船石炭 ガス タール他
石炭液化
ガス液化
フィッシャー・トロプシュ法
ベルギウス法
水素化分解装置による重油の白油化
オイルサンド
オイルシェール
LPG自動車
蒸気自動車
天然ガス自動車
天然ガス焚き船舶
石炭焚き船舶
プロパン
天然ガス
石炭バイオ燃料 ICE
アルコール燃料
E85
バイオマスエタノール
ガソール
バイオガス
バイオディーゼル
ブタノール燃料(英語版)
フレックス燃料車
メタノール経済(英語版)
メタノール燃料(英語版)
木炭ガス(英語版)
木炭自動車
持続可能な航空燃料水素燃料
水素エネルギー社会
液体水素
水素自動車
水素燃料エンジン
燃料電池自動車原子力 風力他
原子力船
原子力飛行機
帆船
電磁推進複合動力源
ハイブリッドカー
マイルドハイブリッド
プラグインハイブリッドカー
レンジエクステンダー
フレックス燃料車
マルチ燃料(英語版)ドキュメンタリー
『誰が電気自動車を殺したか? — Who Killed the Electric Car?』関連項目
ゼロエミッション車
低公害車
代替エネルギー
エネルギー貯蔵
表話編歴自動車部品 エンジン
方式
レシプロエンジン
ロータリーエンジン
ガソリンエンジン
2st
4st
ディーゼルエンジン
2st
4st
縦置きエンジン
横置きエンジン
ハイブリッド (HV)
プラグインハイブリッド(PHV)
電気自動車 (EV)
燃料電池自動車(FC)
ソーラーカー
水素自動車
LPG自動車
天然ガス自動車
冷却
空冷エンジン
水冷エンジン
油冷エンジン
サイドバルブ
OHV
SOHC
DOHC内部構成部品
内燃機関
カムシャフト
ガスケット
ヘッドガスケット
コネクティングロッド
シリンダーブロック
シリンダー
シリンダーライナー
コアプラグ
クランクケース
シリンダーヘッド
ヘッドカバー
ピストン
ピストンリング
ロッカーアーム
デスモドロミック
タペット
ラッシュアジャスター
クランクシャフト
タイミングチェーン
タイミングチェーンカバー
タイミングベルト
浮動ブッシュ軸受
すべり軸受
バビットメタル
バルブ
ポペットバルブ
スリーブバルブ
ロータリーバルブ
バランスシャフト
オイルポンプ
オイルパン
ウエットサンプ
ドライサンプ
ウォーターポンプ
クランクケースブリーザー
PCVバルブ
内圧コントロールバルブ補機類
Vベルト
Vリブドベルト
ファンベルト
歯付ベルト
フライホイール
スロットル(アクセル)
エンジンコントロールユニット (ECU)
オルタネーター
ラジエーター
ファンクラッチ
オイルクーラー
始動装置
セルモーター
スターティング・ハンドル
エンジンスターター
ワイヤーハーネス
点火装置
マグネトー
ディストリビューター
イグナイター
CDI
ダイレクトイグニッション
点火コイル
プラグコード)
点火プラグ(スパークプラグ)
キャブレター
加速ポンプ
チョーク弁
ティクラー
燃料噴射装置(インジェクター)
エアフロメーター
燃料タンク
燃料ポンプ
噴射ポンプ
オイルキャッチタンク
 動力伝達装置
トランスミッション(ギヤボックス)
デュアルクラッチトランスミッション(DCT)
マニュアルトランスミッション(MT)
オートマチックトランスミッション(AT)
無段変速機(CVT)
セミオートマチックトランスミッション(セミAT)
ノンシンクロトランスミッション
シーケンシャルマニュアルトランスミッション
フィンガーシフト
トルクコンバータ
プロペラシャフト
ドライブシャフト
クラッチ
差動装置(デファレンシャルギア)
デフロック
トランスアクスル
トランスファー
ビスカスカップリング
遊星歯車機構
前輪駆動(FF)
後輪駆動(FR)
ミッドシップ
リアエンジン
四輪駆動(4WD/AWD)
ローンチコントロール
クリープ
トルクステア 吸排気系部品
エアクリーナー(エアエレメント)
フロントグリル
エアインテーク
インテークマニホールド
エキゾーストマニホールド(エキゾーストパイプ)
過給機(ターボチャージャー、スーパーチャージャー)
ウェイストゲートバルブ
インタークーラー
ブローオフバルブ
サージタンク
アンチラグシステム
三元触媒
二次空気導入装置
マフラー
DPF
排気再循環 (EGR)
ディフィートデバイス 油脂類
エンジンオイル
2ストロークオイル
オイルエレメント
オイルフィルター
ギアオイル
オートマチックトランスミッションフルード (ATF)
ブレーキフルード
パワーステアリングフルード (PSF)
オイルレベルゲージ
蝋(カーワックス)
燃料フィルター
自動車用燃料 運転装置
ステアリング
パワーステアリング
ラック・アンド・ピニオン
ボール・ナット
ステアリングコラム
四輪操舵 (4WS)
アクセルペダル
ドライブ・バイ・ワイヤ
ブレーキペダル
クラッチペダル
クラッチスタートシステム
シフトレバー(セレクトレバー)
シフトノブ
パーキングブレーキ(ハンドブレーキ)
ウインカー・スイッチ 足回り部品
緩衝装置
サスペンション
ショックアブソーバー
スタビライザー
ストラットタワーバー制動装置
ブレーキ
油圧
空気
排気
ディスクブレーキ
ブレーキブースター
ブレーキキャリパー
ブレーキパッド
ブレーキローター
ドラムブレーキ
ブレーキシュー
リターダ
ブレーキ・バイ・ワイヤ
回生ブレーキ車輪
タイヤ
スタッドレスタイヤ
ランフラットタイヤ
ビードロック
ホイール
スチールホイール
アルミホイール
マグネシウムホイール
ホイールアーチ
ハブ
フリーホイールハブ
ハブリダクション
 計器・センサー部品
速度計(スピードメーター)
タコメーター
オドメーター
トリップメーター
デジタルメーター
自発光式メーター
燃料計
水温計
油温計
油圧計
排気温度計
空燃比計
電圧計
電流計
ブースト計
負圧計(吸気圧力計)
スピードリミッター
エアフロメーター
速度警告音
速度表示灯 車内の部位・部品
ダッシュボード
インストルメント・パネル
フェイシア
センターコンソール
サンバイザー
シート
トランク
シガーライター 照明・灯火装置関連
カーテシーランプ
ルームランプ
前照灯(ヘッドライト)
リトラクタブル・ヘッドライト
ポップアップ式ヘッドランプ
アダプティブ・フロントライティングシステム(AFS)
ハロゲンランプ
ディスチャージヘッドランプ
霧灯(フォグランプ)
尾灯(テールランプ・ブレーキランプ)
ハイマウントストップランプ
方向指示器
オートライト 車外の部位・部品
エアロパーツ
バンパー
フェンダー
ボンネット
パワーバルジ
フロントグリル
フードクレストマーク(エンブレム/オーナメント)
フェンダーポール
ルーフレール
サンルーフ
三角窓
パワーウインドウ
スライドドア
電動式リアテールゲート
パワーゲート
ポンツーン
ナンバープレート
鉛蓄電池(カーバッテリー) その他の部品・関連項目
安全装置安全技術ミラーセキュリティ
衝突安全ボディー
チャイルドシート
シートベルト
エアバッグ
アンチロック・ブレーキ・システム (ABS)
衝突被害軽減ブレーキ
電子制御ブレーキシステム(EBD)
トラクションコントロールシステム(TCS)
横滑り防止装置(ESC)
坂道発進補助装置
スピードリミッター
ヒルディセントコントロール(HDC)
警笛(クラクション)
ドアミラー
サイドアンダーミラー
フェンダーミラー
バックミラー
ワイパー
デフォッガー(デフロスター)
イモビライザー
車線逸脱防止支援システム
ドライバー異常時対応システム
イベントデータレコーダー
オン・ボード・ダイアグノーシス常備品オプション部品
自動車検査証
発炎筒
三角表示板
スペアタイヤ
スタッドレスタイヤ
タイヤチェーン
スノーソックス
ジャッキ
ブースターケーブル
牽引ロープ
カーオーディオ
カーナビゲーション
第五輪
スマートエントリー
ETC
リモートエンジンスターター
クルーズコントロール
ドライブレコーダー
寒冷地仕様
アクセサリーソケット空調設備
ベンチレーター
カーエアコン
カークーラー
カーヒーター
コンプレッサー
クリーンエアフィルタ関連項目
プラットフォーム
カー用品
自動車ディーラー
自動車排出ガス規制
ディフィートデバイス
工業製品の自主規制
自動車馬力規制
自動車部品生産システム展
ヒール・アンド・トウ
半クラッチ
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オーバーステア
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英の高級車ジャガー 2025年に全車種を電気自動車(EV)へ Youtube

イギリスの自動車メーカー「ジャガー・ランドローバー」は、高級車ブランド『ジャガー』を4年後からすべて電気自動車にすると発表しました。

 「ジャガー・ランドローバー」の最高経営責任者ボロレCEOは15日、今後の経営戦略を発表しました。

 それによりますと、高級車ブランドのジャガーを4年後の2025年からすべて電気自動車化し、SUVブランドのランドローバーでは今後5年間で電気自動車6車種を投入する予定です。また、サプライチェーンも含めた事業全体で二酸化炭素排出量ゼロを目指すとしています。

 気候変動問題に対応するためイギリスで2030年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売が禁止されるなど、世界各国が対策強化に乗り出す中、自動車メーカー各社は電気自動車事業を加速させています。

(JNNニュース 2021年2月16日放送)
#ジャガー #電気自動車 #ランドローバー

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